453: おさかなくわえた名無しさん 2014/10/16(木) 05:03:13.92 ID:Ed+NI/V0
武勇伝かわからんけど、目が覚めてしまったので思い出しつつ書いてみます。
長文になりそうなので、時間に余裕のある方だけどうぞ。

小5の時、スポ少のレギュラー争いが元で、俺はイジメられっ子に転落した。
それまで仲間だったはずの奴らから、一斉にシカトされ、攻撃され
何かあると「俺くんがやってるの、見ましたー」と嘘の証言をされ
クラスで泥棒扱いまでされる始末。

俺にレギュラーを奪われたA(俺は盗んだつもりはなかったが)は
副コーチの息子で、その狭い世界の中では権力者だった。
母親には泣いて頼んでスポ少辞めたけど、俺を一番恨んでいるAが
同じクラスだったので、もう最悪。
もう自さつしようかと思うほど、毎日追い詰められていた。
それでも不登校という方法は思いつかず、毎日学校に行ってはイジメられた。



454: おさかなくわえた名無しさん 2014/10/16(木) 05:04:04.74 ID:Ed+NI/V0
親には言えなかった。母親にはようやく俺がレギュラーとった途端に
「辞めたい」と号泣してやめさせてもらったので、
これ以上心配させたくなかった。

俺の異変に気づいたのは4歳上の姉だった。
「あんたイジメられてるでしょ」
とズバリと言われた。
「お母さんに言わないでくれ」と泣きつくと
「分かった、言わない」と約束してくれた。

姉は美人で頭も良く、4歳上ということもあって自分には
どこか遠い存在に思えていた。自慢の姉ではあったが、
どう接していいかわからず、ちょっと恥ずかしいという感じ。
だが、これを機会に俺は姉によく相談するようになった。

数日後ひどいイジメに凹んで「もう無理だ。タヒにたい」と言ったところ
姉は激怒して「バカじゃないの!?」と罵倒された。
慰めてくれると思っていた俺はポカーン(゜д゜)

455: おさかなくわえた名無しさん 2014/10/16(木) 05:05:37.11 ID:Ed+NI/V0
姉いわく、
「あんた、イジメっ子にムカつかないの?」
「ムカついてる・・・」
「Aを杀殳したいと思わないの?」
「え・・杀殳・・・?」
「Aはあんたの精神を杀殳してるんだよ。何度も何度も!
そうやって、あんたが自さつを実行しようかと思うほどにね。
しっかりしなよ、あんたが杀殳す相手は自分じゃなくAでしょ!」

そういえばそうかも。俺、Aのことすごく憎んでるのかも。
もしかしたら杀殳したいかも。そうか、俺は自分に杀殳意を向けてたけど
これはAを杀殳したい気持ちを誤魔化してたんだ。と気づいた。

「なんでそんだけイジメられてて、杀殳そうと思わないかねー
私はそっちの方がどうかしてると思うわ」
呆れたようにいう姉の言葉は、俺にとって天啓に聞こえた。

456: おさかなくわえた名無しさん 2014/10/16(木) 05:08:24.81 ID:Ed+NI/V0
それから、姉と作戦会議。
A君はケンカ強い?と姉がきくので、
「1対1なら俺が勝つと思う。でも3対1だから負ける」と俺が答えると、姉は

・とにかく、Aをみんなの前でものすごい勢いでボコってしまえ。
・子分がビビって「助けに入ろう」と思わないくらいハデにやれ。
・Aがイジメてきたから俺が逆ギレした、と皆にわかるタイミングで仕掛けろ。

上記の3点を俺に命じた。
俺は腕相撲ではクラス優勝するタイプだが、気が弱いのですごく心配だった。
「結局、俺が悪者になってもっとイジメられるんじゃね?」というと
姉は「大丈夫。私も援護するからさ」と言ってくれた。
冷静に考えたら、中学生で、しかも女子である姉にどんな援護ができるんだ?と
疑問に思うべきだったかもしれないが、
「Aを杀殳して構わない」と許可を出してくれた姉は、軍隊の上官みたいに思えていた。

更に
「失敗した場合は、ナイフでサクっとやっちゃいな。あんた子供だし法的にはオッケー。
それに、どうせタヒのうと思ってたんでしょ?だったらAを杀殳してからタヒになよ」
という力強い励ましの言葉をもらった。
そうか、失敗したらAをサクっと杀殳して俺もどっかのビルから飛んじまえばいいんだ。
と思ったら、すごく気持ちが晴れ晴れしてきた。「やるぞ!」と闘志が沸いた。

457: おさかなくわえた名無しさん 2014/10/16(木) 05:10:13.02 ID:Ed+NI/V0
疲れてきたので、ちょっと端折ります。
結果的に逆襲は成功しました。俺の鉛筆を全部折って、ニヤニヤしながら
「ごめんな~わざとじゃねんだよ。あ、そういえば次の時間テストだけど
お前の鉛筆全部折れちゃったね。どうすんのー?」
と言ってきたAに、俺はいきなりブチギレて見せました(かなり演技)

胸ぐらを掴んで床にダーンと叩きつけ(頭をぶつけないように気を使った)
みんながポカーン状態の中、半泣きで立ち上がったAに
「テメエ、もう許さねえ!タヒね!!テメエぜってえ杀殳す。本当に杀殳してやるからな!!」
と大声で怒鳴りながらローキックを入れまくりました。Aが崩れ落ちたのでマウントをとって
「タヒね、杀殳してやる、テメエなんか生まれてこなきゃよかったんだよ!!
今すぐタヒね、飛び降りろ!!!飛び降りるの、手伝ってやろうか!?」
わめいているうちに段々本気になってきて、窓から落としてやるか?などと思い始めた時に
誰かが先生を呼んできて、先生が止めにはいった。
俺はまだ興奮状態にあり
「タヒね!!杀殳す!!先生、邪魔しないでください、俺ずっとコイツにいじめられてんだよ!
あの時だって、俺は盗んでなんかいない!!コイツが嘘ついて俺をハメたんだ!畜生、タヒね!!」
と喚き続けた。先生は「うん分かった、わかったから」「ちゃんと話きくから」と言って
俺をなだめてくれた。Aはグシャグシャの顔で「うええええ」って泣いていた。

458: おさかなくわえた名無しさん 2014/10/16(木) 05:12:42.23 ID:Ed+NI/V0
そのあと、俺とA、Aの取り巻きは順番に校長室に連れて行かれて
それぞれ聞き込みをうけた。
俺はAたちに今までされたことを、全部正直に喋った。

校長先生は俺の言っていることを、なぜか知っていたかのように
「うん、うん」と聞いてくれて
「他にこんなこともされなかったかな?」などと、俺の言い忘れていたことを
知っていたりした。
「あ、それもされました」といいつつ「なぜそんな細かいことまで知ってる?」と思いました。
結局、俺はAをボコボコにしたにも関わらず、さほど叱られることもなく
「暴力はよくないね。まず先生に相談するように」などと言われて放免。
そして被害者のはずのAの方が指導室に呼ばれて長々と説教をされているので
「???」と思っていた。
互いの親も呼び出され、何か長々と話し合っていた。

いじめの詳細を学校側が知っていたのは、県の教育委員会から指導がはいったためだった。
学校にとって市の教育委員会は怖くないが、県の教育委員会というのは怖いものらしい。
県の教育委員会が、なぜか俺がAにイジメられている詳細を知っていて、
校長に直接、注意喚起の電話をしてきたとのことだった。

459: おさかなくわえた名無しさん 2014/10/16(木) 05:15:52.32 ID:Ed+NI/V0
その後 真相を知ったのだが、県の教育委員会にAのイジメを報告したのは姉。
匿名で公衆電話から、俺のクラスメートを装ってかけたという。
いじめホットラインだか、いじめ110番だか、県教委に繋がる相談電話を探して
「クラスでこんなにひどいイジメがあるんです。でも私が言ったっていうと
私もAくんにイジメられそうで怖いから、匿名で話させてください」
と言って、イジメの詳細を全部、県教委に話しておいたらしい。
姉が「私が援護するよ」と言ってたのは、これのことだった。

おかげでAはイジメっ子、俺はイジメにキレて逆襲した勇者みたいな扱いになった。
Aはビクビクして小さくなり、性格も変わってしまったようだった。
「親がスポ少で地位がある」という権威に自信を持っていたが
いざ虐めていた相手に襲いかかられた時、その権威がなんの役にも立たなかったのは
ショックだったと思う。親の権威の上にアグラをかいてるやつだったから。
俺は「怒ってもいいんだ」ということを初めて知って、すごく自信がついた。
あれ以来、性格もすごく明るくなった、と言われる。

姉にもすごく感謝してるし、今でもすごく仲がいい。姉というよりも
男同士、アニキ、みたいな感じ。見た目は女らしいけど性格は男みたいなので。

小学生同士のショボイ復讐かもしれないけど、俺にとっては人生の転機だった。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。

460: おさかなくわえた名無しさん 2014/10/16(木) 05:25:40.99 ID:PBfGSAFj
正統的でスッとした
いい姉を持ったね

461: おさかなくわえた名無しさん 2014/10/16(木) 05:53:50.78 ID:j2kDNxYm
姉すごい賢いな
口だけじゃなく、ちゃんと援護してくれたって嬉しいね
グッジョブ

462: おさかなくわえた名無しさん 2014/10/16(木) 06:18:58.23 ID:Ed+NI/V0
下手な長文ですが、読んでくださってありがとうございます。

「タヒね、杀殳してやる、テメエなんか生まれてこなきゃよかったんだよ」
「窓から飛びおりてタヒね、手伝ってやろうか」

等というかなり恐ろしいセリフは、姉の考案でしたw
普段、おとなしくてヘラヘラしているタイプの俺が、突然暴れだした上に
ものすごい暴言や毒台詞を吐いたら
Aも子分たちもビックリして固まってしまうだろうと言われて

「え、そんな酷いこと言うのかよ…」とビビリましたが
セリフも活用して周囲ごとビビらせないと、子分が助けに入って3対1になるから
言いなさい!と命令され、練習までしましたねw
言って正解でした。姉が考えたセリフとはいえ、自分の本心でもあったし
Aは本当に俺に杀殳されると思ってビビったらしく、二度と絡んできませんでした。

463: おさかなくわえた名無しさん 2014/10/16(木) 06:20:11.93 ID:nCK6e828
お姉さんください

465: おさかなくわえた名無しさん 2014/10/16(木) 06:43:17.94 ID:acESM22m
読めば読むほど、お姉さんの作戦スゴス
全くスキがないというか 策士すなあ
いいお姉さんがいてよかったね

引用元: http://kanae.2ch.net/test/read.cgi/kankon/1412032260/

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1000: 名無しの心子知らず